編者の太田正弘氏は博物館に席を置かれたが、退職後は各市町村史などの編集に携われる一方、「個人の道楽誌」（創刊にあたって）として本書を出版された。「尾三」とは言うまでもなく「尾張」と「三河」、現在の愛知県を指す。
 非常に中味の濃い硬派の雑誌で、出版部数は100部ほどだったらしい（一冊一冊に朱書きで番号が書かれている）。「本誌の頒価が高いと思われる方へ」（同）にあるように、自力でこれほどのものを出されたのには感心しないではおられない。
 この号の中心記事は「名陽旧覧図誌」全巻の影印と翻刻。名古屋城下の名所旧跡や風物、年中行事などを絵を中心にして紹介している。他に「村上忠順の集書について」「尾張奉行一覧 二」など。
 本はA5判・96頁。昭和60年刊。書き込み・ラインなどなし。美本。
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